シンデレラストーリーになるまで

信じていれば夢は叶う。

小さい頃の記憶②

 前回に続き、幼稚園生だった頃の記憶を辿ってお話しします。

 

 幼稚園生の頃に住んでいた場所についてです。どういうこと?って感じなんですけど、多分、母の実家に逃げ帰っていた時期があるんですよね。実際に、大人になってから住民票を見た際、本籍を母の実家に移していた形跡を確認しましたし。

 …なんともよく分からない幼稚園録なんですけど、ここから少しだけ明るい話になるのでもう少々お付き合いください。

 母の実家は、近くもないですがそう遠くもなかったので、幼稚園にはいつも通り通っていました。でも、迎えに来る人がバラバラだったんですよね。(いつもの家にいる際にはほぼ祖父が迎えに来てくれていたと思います。)毎日、どんな気持ちで迎えを待っていたかはあまり覚えていないのですが、ひとつだけ、「大好きなお兄ちゃん」を待っていたのは覚えてます。「お兄ちゃん」と言っても実の兄ではありません。(3歳上なので迎えに来られないです。笑)母方の、おじさんというのが正しいのですが、当時若かったのでおじさんには見えず、「しんちゃん」と呼んでいました。

 しんちゃんはよく遊んでくれ、とても面白い人でした。幼稚園の玄関にしんちゃんが現れた時のことは、今でも思い出すことができます。先生に

「あちゃちゃんよかったね〜!今日はかっこいいお兄さんがお迎え?」

と言われ、照れながらも自慢げに帰ったなあ。

 先生の一言って、何気ないんですけど大事なんですよね。心が温まったり、救われたり…。それを実感した忘れられないエピソードがあるので、最後にそれを話して終わろうと思います。

 

 年中の頃の話です。とても鮮明に覚えてます。

 両親の喧嘩、怒鳴り声、住む場所の変化…精神的に不安定にもなっていたのでしょう。幼稚園にいる間になんだかとてつもない悲しさに襲われました。その悲しい気持ちに浸り、隅っこのロッカーの前で座って、泣きそうになりながら巾着の紐を結んでいました。すると頭の上から

「あら〜!あちゃちゃん!リボン結び上手ね〜!!」

という声が。

 先生の、なんてことない一言。でも、当時の、その瞬間の私にとっては、闇から救い出してくれた天使の一声でした。その声を聞いた周りの園児たちが集まってきて、1人で沈んでいた暗い空気が一気に明るくなりました。

「ほんとだ!じょーずだね!」

「れんしゅうしたの?」

「どうやったの?もういっかいやってー!」

 次は嬉しさで泣きそうになってしまいました。

 

 何先生だったか、名前は覚えていないけれど…。


 先生、私ずっと覚えています。その瞬間も救われたし、この温かな思い出に今日まで何度も救われました。ありがとうございます。


 そう伝えたいですね。きっとその先生は私にそう声をかけたことすら覚えていないと思いますが、私にとってずっと大切な記憶です。